「ふざけんな郵政省」


 カンボジアには電話会社が沢山あって混乱しがちだが、そのなかで最も回線品質が良く、ファックスやインターネットに不可欠なのが、局番023-21で始まる郵政省のラインである。なんでも日本が技術協力しているらしく、工事車両などに日本の国旗が貼り付けてあるのが頼もしい。

 しかしながら、回線品質は最高だが、その他の面では最低だ。なぜなら役所体質丸出しで、なにかにつけて賄賂を請求されるからである。

 まずは設置から‥‥。プノンペン市内の中心部なら、だいたいどこでも設置オーケー。ただし、定価(国際電話デポジット無しで四百ドルちょい)で工事してもらおうと思ったら二週間待ちは当たり前。ところが電話局に直接行って裏金を渡すと、そいつの力関係にもよるが、最短で翌日には設置可能。賄賂の額は少なくて20ドル。足元を見られたら百ドル以上の金額も平気な顔して言ってくる。

 続いて引っ越しなどの移設の場合‥‥。噂によると定価は60ドルらしいが、電話して聞いたら120ドルと言われ、直接行って問い合わせたら邪悪な面構えの男から「二百ドルだ。サー」と自信満々で言われてしまった。

 その後交渉して50ドル以上も値引きさせたが、そのせいかどうかともかく、予定日から二日も遅れて、日本の国旗が貼られたショボいクルマでノロノロやってきた職人たちは、皆示し合わせたように目が死んでおり、そんでもって、いい歳こいた男が雁首揃えて「ケーブルは別料金だ」とか「この部品はあんたに買ってもらわないと」だとか、なにかにつけて小銭をせびろうとする魂胆見え見え。試しに一発怒鳴ったら静かになったが、本当にこんな状況を放置していていいのだろうか。



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