旅人たちの痕跡
プノンペン中心部。182ストリートにある世界的に有名な貧乏旅行者たちの拠点「キャピトルゲストハウス」の一階には、宿のオーナーが経営する同系列の食堂があり、朝五時から夜十時までの営業時間の間、日本ではその筋の病院に行っても拝めないような、おかしな旅行者や怪しげな定住者(人種問わず)、彼らを目当てにやってくる乞食やタチの悪いバイタク運転手、オバケのような売春婦たちで大いに賑わっている。
そしてこの店の会計カウンターの前には、かれこれ四年以上も前から、心ない人間に盗まれたり破かれたりコーヒーをこぼされたりしながらも、今に至るまで様々な情報やつまらない喧嘩や独り言が、延々と日本語で書き綴られた一冊の情報ノートが吊されているのだった。
ここでは噂の情報ノートに書かれている情報のなかから、特に面白いものを原文のままピックアップして紹介してゆく‥‥。
●昨日、ポチェントン空港の近くで二百人ぐらいの人が集まり、もりあがっているのを見つけ、何だろう?と思い行ってみると、何とレースをやってました。バイクの好きな方は一見の価値あり。使用しているバイクは2ストの70〜125ccぐらいのやつで迫力があります。ヘルメットもプロテクターもつけず、命をかけて(笑)戦うカンボジアの若者を見ることができます(毎日やってるのかはわかりません)。by K2
●ナンバーワンコンドームを格安で入手する方法。販売元であるPSIまで直接行けば、大ケース(百個入り)を1ドルで買うことができます。また、大ケースを10個購入すると、あのナンバーワンTシャツがタダでついてくるそうです(場所は忘れたので、電話帳等で各自調べてください)。
●カンボジア中央駅のマッサージと吸引療法ですが、10日は体にアトが残ります。泳ぎたい人は要注意!。
●サイゴンのドラエモンカカは高い!。オーナーはいつもおしゃべりをしていてちっとも働いていない‥‥。現在、日本人のかわいいウェイトレスを大募集しているとのこと。興味のある方は行ってみてください。ちなみにドラエモンカカの情報ノートは日記状態で全くつかえない。ここにきてるリーマンはいまいち。でも仲良くなればごちしてもらえるかも‥‥Anyway Try! 鎌倉在住・瀬戸朝香
●有効なナンキンムシ対策。白いシーツを使う。電気をつけてねる。ベッドの場所を少しかえてみる。さーレッツトライ
●ベトナム語秀作講座‥‥ダォヂャプヤーオ。デェップチャインゲェオ、エンムカイナオトォークホン。邦訳「ハゲは金持ち。ハンサムは貧乏。いったい君はどっちを選ぶ?」
●クアラルンプールはカード、ギャンブル、監禁等の事件が多発しています。女性は男に、男性は女に気をつけましょう。善良そうな人でも、もうけ話が出てきたら間違いなく詐欺師です。マレーシアの男は女に飢えています。友達になると「日本人の女性を紹介してくれえ」とうるさいっす。いい奴もいるんですがねえ。
●長旅でコキタなくならない法、一日二回はシャワーをあびる、歯をみがいてヒゲをそる、三日以上同じ服を着ない。半月に一度は髪を切る。これだけを実行するだけであなたもエグゼクティブバックパッカー。