無署名無責任コラム・今月のぼやき
プノンペン定住者にとって、悩みの種は電話である。こんな小さな町なのに電話会社が多すぎだ。六つぐらいあるんじゃないか?。
公衆電話はひとまず置いといて、いわゆる有線の電話設置サービスを行っているのは国営のMPTCだけ。これはいい。回線品質は良好で、インターネットもFAXも問題一切なしである。施設のときワイロを少々包まないと工事が遅いのと、料金支払いに時間がかかる(係のババアがくそ非能率的)こと以外には文句のつけようがない。
以前はケーブルが何者かによって切断され、毎月のように不通になって修理費ばかりかかると非難ごうごう(修理代稼ぎのため、故意に切られることも)だったのだが、いまでは地下ケーブルなんでそのへんの問題も解決されたようだ。
MPTCのほかに、シナワトラというタイ系の会社が少々安く電話をつけてくれるが、こちらはでかいトランスミッターを壁に打ちつけられ、回線品質は超最悪。原理から言って携帯電話とまったく変わらないシステムのうえ、停電になればトランスミッターが切れるので電話も不通。インターネットにも繋がらない。正直言ってクズである。もし家の電話がシナワトラだという不幸な人は、さっさとそのへんの間抜けに売っぱらってしまったほうが身のためだ。
携帯電話は?。国際電話をかけるのに、いちいち申し込まなければならないカムテル(018)と、明日潰れても不思議じゃないトライセルカム(017)は問題外。最近、カンボジアデイリーでこの二社の広告を良く目にするが、僕にはどうも、潰れる前の客集めとしか思えない。
田舎でもオーケーがウリのサマート(015)は、未だアナログでがんばっている。値段が高いだけあって評判はいいが、アナログ式は今後、バンコクみたいに番号盗難電話かけまくられ被害が多発するような気がして、ちょっと怖い。
テレビコマーシャルも出しまくりのモビテル(012)と、生き残りを計るシナワトラGSM1800(011)は、いま世界で標準化されつつあるデジタルGSM方式。将来この国から出ていく場合でも、電話機がムダにならない(日本を除くアジア諸国、ヨーロッパでは、だいたい中のカードを取り替えるだけで使用可能)経済性と、番号盗難がまずありえない安心さ、そして回線品質の良さがメリットだ。
モビテルはセルカードというプリペイドカードの導入により、毎月金を払いに行く面倒さが無くなった。対してシナワトラは、通話料金の安さ(1分18セント)で勝負する。ただし、モビテルが一律60ドル払えば加入させてくれるのに対し、シナワトラは、いまのところ電話機を一緒に購入しないと加入させてくれないというケチ臭いシステムでショボい。
というわけで、バンコクや香港で安いGSM携帯電話を買い、モビテルで電話番号だけ売ってもらうというのが、一番安くて賢い方法のようだ。