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おばあちゃんの教え

みどりよ、よく聞いておくのじゃよ。
今ごろのおなごはいったいなんじゃい。
鼻や耳に穴をあけたり、ひどいのはオヘソに穴をあけておるのう。
真っ黒の顔をして目ん玉の回りを白くして
分厚い唇を白くしてありゃ、一体なんじゃい。
土人になりたいのかいのう。
昔、南洋の土人のマンガがあったものじゃ。
「冒険だんきち」(とかいったのう)
日本人のおなごとしての誇りがまったくないのう。
土人のおなごは土人の子供を産むのじゃ。
クロンボがそんなによいかいのう。

さて、昔のおなごのことを話そう。
だんな様より先に寝てはいかんのじゃ。
朝はだんな様に寝顔を見られないように必ず早く起きたものじゃ。
今のおなごはどうじゃ。
鼻からチョウチンをだして、太い足をおっぴろげて、高いびきじゃ。
かわったものじゃ。
だんな様と一緒に寝ているときでも、いかに気持ち良くても声はださぬのが
女の道なのじゃ。
夜寝るとき衣服をたたみ枕元におく。
何のためだかわかるかのう。
みどりよ。
火事、地震にそなえるためだ。
いざというとき、着物をこわきにかかえ、表に出ればあわてなくてすむのじゃ。
米びつはいつもいっぱいにしておったものじゃ。
バケツに水もくんでおったのじゃ。
戸締りにはしんがりぼうをして泥棒にそなえた。
だんな様は衣服の上に日本刀を置いたものじゃ。
わしの家ではなげしに枕槍をおいたものじゃ。
侵入者はただちに殺す。
これが武家の作法じゃ。
武士の家には誰もちかよらなかったものじゃ。
いつも戦時、戦争の時と自覚するのは武士の娘の生きる道じゃ。
みどりよ、そなえおこたるでない。
槍をみがけ。逃げる者には弓を射よ。
わきざしを用意せよ。
不貞の輩の首をはねよ。
これが日本のおなごの生きる道じゃ。







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